2011/11/21

96-97秋冬 メンズコレ : rise of Helmut Lang








Back to the Basic





このブログの主題




ミレニアムのファッションにいざ帰還






96-97年 秋冬


メンズコレクション









まずはパリ












スタートは


コムデギャルソン・オム・プリュス




ユニオンジャックや

アーガイルなど


なじみの深いパターンを


ギャルソン流にアレンジ





















モデルもいわゆるモデルを使うわけではなく


アーティストやミュージシャンなど


味のある人物をキャスティング。






アーガイルを織りではなく

転写プリントであしらった

アイテムが印象的





つま先がバイカラーの

ストライプのスリッポンなど


オム・プリュスの靴は今も昔も魅力的










































つづいて


ヨウジヤマモト








ヨウジらしい

ゆったりとしたシルエット

温かみのある素材使い

ながら

いたずらな遊び心あふれる


これぞヨウジといったコレクション


























このコレクションには


本木雅弘

永瀬正敏



2大人気俳優を起用した事も話題になりました。









右下のフェイクファーのカラフルなコート

着てたらガチャピン呼ばわりされた事を思い出した。




























そして そして



90年代後半のパリ・メンズコレを語る上で


もっとも忘れてはならないのは…





















 W&LT  








ワイルド&リーサル・トラッシュ!!


頭文字をとって

W&LT









CGプリント


ハイテク素材



テクノロジー進化のファッションへの反映が


もっとも顕著だった、90年代を象徴しるW&LT


登場するや、人気はウナギ登りだったわけですが


このシーズンのコレクションがベストだったと思います。













サーカスのテントを立ててのコレクション



「KISS the FUTURE」

次の世代に明るい未来を

というブランドのスローガンに

添わせるかのように子供も多数登場





エナメルからツイード


チェックからCGプリント


やりたい放題にぎやかな印象ですが


どれもこれもやはりW&LTらしい


思わず口元が緩むアイテムばかり。





じょんてもーにんぐ☆ライクな


ラバーの七三分けヅラは商品化されませんでしたが


熊の耳がついたニット帽など小物がとにかく楽しいシーズンでした。





右下はデザイナー、ウォルターのそっくりさん!!



























では では


さらに遡ってミラノへー

























ミラノのトップは


泣く子も黙る



ドルチェ & ガッバーナ










クラッシュデニムで大フィーバーする前の


90年代後半のドルガバは


ひたすら「シチリアの色男」を体現。






ミリタリーに基礎をおくクラシックなアイテムも


腰の位置や肩の形を再構築することによって


モダンな男の色気あふれる、ドルガバらしい服に変身






シャツの襟のポイントが長いのが

ちょっと懐かしい90年代を感じさせる。





逆に、ナード風眼鏡は今っぽい感じ





















中上段



ベストでもなく長袖でもない


半袖ニットっていうのがポイント!!



ここに伝統と若さにみなぎる


ドルガバらしい色気を感じます。




ちなみにこのニットはカシミヤと、ウールの

2色ならぬ2素材展開でした。







右下のピーコート


これ、ピッグスキン!





当時の雑誌「ポパイ」誌上での


スースーこと祐真朋樹氏と


Tシャツ番長こと野口強氏の


ミラノ買い物日記に掲載、




当時のレート(ちなみにリラ)で80万円位だったと記憶しています。






























つづいてヤングライン


D&G








色と柄のオンパレード


控え目になったもののロゴもちらほら


遊んでますねー


























その分、スタイリングは今見ても

ファーストラインよりおもしろい。






ピンストライプに花柄シャツはオススメしませんが



ニットキャップの下からバンダナチラ見せ

これはなかなかカワイイ!!






こちら、D&Gもぽってりとした


黒ぶち眼鏡がポイントに














右下


スキーがこの年のトレンドにあり


こういったジップアップニットや


雪柄のニットがいろんなコレクションに登場してました。


































次は

ヴィヴィアン・ウェストウッド・マン








反り返り逆行しその果てに


極端なクラシックにそのソースを


見出したヴィヴィアンのメンズライン。


















タータンチェック

キルトスカート

ツインセット

パジャマ

プリント



このシーズンは

ヴィヴィアンウェストウッド・マンの

エッセンシャル・コレクションと言って過言ではないでしょう。
































右上

大きなグレンチェックの重ね着




同柄異色というアイデアにも脱帽ですが


襟・裾・袖の切り替えや


小物使いでアクセントをつくる


コーディネイトの手法には要注目




























ひっかいたモヘアとキルトのルック


こういった英国の伝統をデフォルメした


デザイナーは減ってきている気がします。














































PRADAはまだランウェイコレクションをやっていない時期でしたが


グッチはすでにトム・フォードでした。








































スカーフ使いやヴェルヴェットなど


らしさは感じるものの全開ではない頃



この翌年


赤と緑でおなじみのウェビングを復活させて

ブームがスタートするまで待ちましょう。







































最後に



レディースコレクションと同時発表ながら

この年大ブレークしたコレクション


















ヘルムト・ラング









建築畑出身の彼がつくる服は


ミニマルで高潔


NYに舞台を移したキャリア後半までは


ほんとんど装飾品は無し。




着心地はよくかつセクシーに見える。










そんなラングの服はオンワード樫山の

資本の元、世界を席巻。







代名詞であったヒップハングのタイトなパンツはブームを呼び


マックイーンがお尻丸出しのジーンズを発表するまで


世界中の股上は下がり続けた。














このシーズンについてとりわけ

印象深いのが右下にある

ミリタリーウェア。





写真はN系であるが、

MA-1も商品化。




東京のブランドを中心に

このようなミリタリーウェアのアップデート作品を

近年よく目にするが、


この年のラングのMA-1ほど美しいものは

見たことが無い。




とにかく無駄が無かった。





アームホールはタイトでありながら苦しくはなく。

色もナイロンの嫌なテカりはなく落ちついていた。





なぜ、購入しなかったのか、十余年経った

今もたまに思い出す。
























ちなみに金箔のようなものは

保温用のアルミ箔。


この日、パリは異常に低温だったらしく

急遽、客席に配られたとのこと。













いま


ブランドは存続しているものの

ラング氏は不在、芸術家として活動している。





今年、彼のアーカイブを収めたNYのビルが火災にあり


上記のような貴重な作品も多数焼失したらしい。







ここからがヘルムト・ラング魂の健在を感じるエピソードなのだが


なんと彼はその焼けた服を固めていくつかの柱にし


自らのアート作品に転身させたのだ。











超がつくような高級素材に

いきなりハサミを入れ、まわりのスタッフの度肝を抜くなど

武骨なアーティスト気質なデザイナー


ヘルムト・ラング


彼もまた復帰が待たれる稀有な才能を持つ

ファッションデザイナーの一人だ。



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